◎ホテルの収支分岐点は、稼働率70%としている。
コロナ感染で、この稼働率が大きく下がっている。
外国人観光客のみならずオリンピックが延期されたことによる関係者のキャンセル
である。
現在の推定稼働率は、30%~50%前後ではないか。
東京はじめ全国でホテル建設ラッシュであったが、延期により、売り物が多くなっ
てくるだろう。
例のア〇ホテルのオーナーは、経営が苦しくなったとしたら、既存ホテル(現在3
00以上ある)を売ればいいじゃないか。と言っていたが、稼働率が落ちたホテル
は、大幅に値下げしないと売れない。
僕の知人2名がホテル経営に失敗している。
1、関西で3軒のホテルを経営していた。
O15感染で稼働率が落ち赤字となり、慌てて買主を探した。
僕のところにも相談に来られた。
しかし稼働率が落ちているから、新築の(3年前建築)半額でしか売れない。
結果、自己破産された。負債額は約30億円。
2、クライアントがホテルチェーンを作った。
オーナーに建築してもらい、それを借り上げる仕組み。
当初の契約ではオーナーへの配当が建築費の6%の約束であったが、稼働率が悪
くなったと言う理由で3%に引き下げた。
オーナーは約束が違うと反発し訴訟になった。
これによりホテルチェーンは崩壊してしまった。
僕も観光ホテルのコンサルをしていたことがあるが(600人収容)。
ホテル経営は、コストが高い。
電気、水道、ガス代等の光熱費の支払いだけで月300万円かかる。
特に水道代が高い。
温泉は組合から購入している。1トンに付200円だった。
大きな風呂であったので月600万円を組合にはらっていた。
朝は4時から夜はホテル内のラーマン屋とスナックが閉店する10時まで。
オーナー女将は365日休みがない。
こんなしんどい仕事なら、マンション経営をしたほうがいいと思ったものである。
このホテルはバブル時に銀行から借りた40億円が返済できないで結局は倒産した。
今は行政が買い取り更地になっている。
何故このようなリスクが高いホテル経営やゴルフ場をやりたいのか?
それは経営者のステータスや夢の事業であるからだ。
ゴルフでは知人の社長が30カ所手掛けたが、全て失敗している。
1カ所40億円程度かかるが、売却処分では3億円手度にしか売れない。