★シェアハウス「かぼちゃの馬車」経営破綻の原因★

■よくあるパターンと特殊要因■

◎この企業は、ある大手賃貸マンションL社の孫会社であった。
現在は、資本が違うようだ。
私が、当時の社長と面談した3年前の時のことである。
当時について先ず記して見よう。

1、当時の運営戸数は4,000室程度であった。
(経営破綻時10,000室)
2、直接建築、直接運営であった。
3、ビジネスモデルが独特であった。
それは、東京に職を求めて上京してきた若い女性に限定し
ていた。
彼女たちに就職斡旋し、その為の教育を行う。
その上で正社員に採用される運営を行う。
これにより得られる利益は年収の30%。
雇用助成金等がビジネスモデルであった。
年収300万円であれば90万円。雇用助成金30万円。
計120万円のギャランティである。
素晴らしいと思ったものである。
年収300万円以上になったらシェアハウスから、同社の
親会社のワンルームマンションに住み替えてもらう。
これがビジネスモデルであった。
その企業が何故経営破綻したのかが、今回のテーマである。

1、高額報酬のサラリーマンに土地と建物のローンを組ませた。
金額にすると1億円から2億円程度と考えられる。

2、メイン銀行はスルガ銀行横浜支店。この銀行は金利が高い
ので有名。おそらく年4%以上である。

3、サブリース家賃保証制度を導入した。

4、この方式ではオーナーに支払う保証家賃は、多分、当時額
の3%程度であろう。
しかし、満室なら破綻しない。

5、4割しか入居者がいなかった。建築利益優先で運営を疎か
にした。

6、年末頃よりオーナーに約束した保証家賃が滞納するように
なった。

7、被害者が、損害賠償集団訴訟を始める。

8、被害者がスルガ銀行に対して、差し押さえしないこと。
ブラックリストに掲載しないことを申し入れ、同行も了承
した。
しかし、いずれは法的に処理せざるを得ないのではないか。
金融庁はスルガ銀行の調査に入った。
過剰貸し付け。オーバーローン。
過大所得申告等の問題についてである。

★今回の結論。
ビジネスモデルが破綻していた。
満室にする努力をしないで建築利益ばかり追いかけた。
保証していた家賃も建築利益から出していた。
自社建築からサラリーマンが建築するサブリースに特化した。
そして、なによりも入居者を満室にする努力をしなかった。
4割の入居率では、その後の就労支援事業で利益も出ない。
理想と実態が乖離し過ぎたのである。


Warning: count(): Parameter must be an array or an object that implements Countable in /home/vuser05/3/3/0190033/www.property-art.co.jp/blog/wp-includes/class-wp-comment-query.php on line 405