仕事柄、これまで数百人の社長とお目にかかつたが、社長の幸福と不幸は、売り上げや会社の規模にはないことがしみじみと分かる。
一番幸福な社長は静岡の人で、売上は150億円程度だが、5社に分け、それぞれに社長を置いている。自分は会長だから、月1回の「社長会」に出席するだけである。
有料の美術館も経営し、会長室にも自宅にも高価なオーディオ設備を持ち、隣室には陶芸の部屋もある。迎賓館も持っており、野外パーティなども定期的に行っている。
この人が僕の知る限り日本一気楽で幸福な社長である。
一方、5,000億の一部上場企業にしながら、バブルで債務超過になり社長を追われた人もいる。個人資産だけで200億円以上あったが、融資の担保に入れたので無一文になった。僕の最大の恩人だから、今も時々会っている。
社員が2,000人以上いたのに、現在の新会社には10人程度しかいない。
企業家の幸福と不幸は会社の規模でも年商でもない。